昭和4年6月

200.昭和4年6月23日1 【伯林新報5-1】『日本婦人はマリアの典型』

伯林新報天候記事は都合にてこれから略します。しばらく多忙にて失礼しました。◎日本婦人はマリアの典型夫のため子どもなどのため、自分の身をささげる日本婦人こそ真のマリアの典型だと某プロフェッサーは申されました。 真の情愛は日本婦人でなければ見ら…

201.昭和4年6月23日2 【伯林新報5-2】『日本の活動写真がベルリンで見られる』『下宿のそばで二度の小火』

◎日本の活動写真 これは例のノーレンドルフプラッツの教会の隣の活動写真館に久しぶりかかりました。プログラムに御大典写真とありましたので、喜んで参りましたがそれは教会で中止されましたので、残念でした。いつも御大典のものをと思っても惜しいことに…

202.昭和4年6月23日3 【伯林新報5-3】『ベルリンの学生生徒の服装事情』

◎学生の服装は一定しません 大・中学(女学校)・小いずれの学校でも服装は一定しません。 大学等はまるでメチャメチャで一寸学校という感じがないでしょう。中学校も同様です。 小学校は色分けの美しい帽子をかぶっております。これは男女少しも変わりませ…

203.昭和4年6月23日4【伯林新報5-4】『靴が傷む』『ニワトリの声がしなくて淋しい』『ソーセージとチーズがいっぱいある』

△靴はとても傷みます。毎日履きづめのため、かなり傷みます。皮も内地と比べてあまりよくないようです。新調のは多分良いつもりですが、未だ1ヶ月ではわかりません。品物が悪くていいのには様子きました。洋服でも何でも悪いばかりで良くはありません。 △鶏…

204.昭和4年6月23日5 すみ様1「アメリータ・ガリ=クルチ」来日

(6月23日付けの「すみ様」は過去の「すみ様」と違って話題が割とまとまっています。なのでこの「すみ様」は基本は順を追って翻刻しようと思います。規矩士も長い事手紙を多方面にわたって書いているので、文章を書くのに慣れて来たのかもしれません。) 6月…

205.昭和4年6月23日6 すみ様2「青春をうかうかと送らないで(結婚して家庭の主婦となる訳ですから)」

2.御伯父様の御死去、一年とは早いものです。さぞ思い出されて悲しみ、また新たになられたことと存じます。 人生は全く無情。いつ嵐が吹くものがわかりません。今の自分を幸福と思い意義ある生活を続けられたい。ただいたずらに青春を夢見てうかうかとその日…

206.昭和4年6月23日7 すみ様3「マリアの典型」「少し言い過ぎました」

6.柔らかい人にそしていつも温かい心の持ち主になられるように。自分は砂漠のオアシスを求めるごとく殊にそれが要求されます。内地にいてもこちらにいてもただ、それだけをどんなに願っているでしょう。 マリアの典型。日本婦人の誠の美に自分を救ってはし…

207.昭和4年6月23日8 すみ様4 ベヒシュタインピアノ

9.ベルリンでピアノを自分が買う時は内地の半分ですから、驚きます。多分、新しいピアノでも内地でお求めになったての価格でこちらで相当のものが買えるだろうと思います。万一、私が持っていくとなると、無税ですから。(その他の点も皆、特別扱い) 内地…