29.卒?表(?なんのことかわからない)は同じものはどうぞお分けの程を。小包は大急ぎでまとめますから、一々調べることがありませんので、そうしたものがたくさんにあります。一般の方への御分けは猶、当分お断り願います。一人に与えることは多くの不公平ということになりますので、今しばらくおしまい下さい。藤巻からの小包は一寸調べることがありますので、これからも充分に注意していてください。何度も申し上げますが、何日発送の分で、何日到着、切手および包み紙について及びどんな風に包んであるか等も甚だうるさいことですが、一々お知らせを願います。
13.ベルリンのプログラムは他人でも家に関係のある方ならば差し支えはありませんが、公然と各所へはお断りいたします。
(中の人ツッコミ)
他の手紙でも「プログラムは他に渡すな見せるな」など書いてあることが多いようです。おそらく一人に渡すと他からも「私には何故渡されないんだろう?」となって面倒になってしまうことを危惧しているようです。
規矩士の手紙を読んでいてふと「留学したことで規矩士は何かやっかまれてないか?妬まれていないか?」と思ってしまうことがあります。
なんとなく文面から匂ってきているような気がしています。
3.たまに夢を見られるそうで夢もなかなか当たります。去年のそのころは本当に心配でした。今年のその日は全く不思議。そのころはどうしても寝られず、夜通し眼が冴えて何だか苦しくなりました。朝起きたらば、眼には充血、一時は驚きました。地球の一回りでそれがわかるとはびっくりしました。夢の国では会話はなかなか出来ません。こちらにいてもいろいろの夢から覚めて、淋しくなることがあります。全く名歌の通りです。Pを聞くことはほとんどないので、それが皆、夢となって自分にいろいろのことを伝えてくれます。せめて夢の国ででも内地のことが解れば慰めでしょう。夢には種類がありますが、何度でも良いから見たいというものがあります。名歌の夢はどんなものでしょう。一度だけでは却って淋しくなるかも知れませんが、何度見たとしても会話は難しい注文です。会話の出来る場合も時にはあるかも知れませんが、そんなのはなかなか上等の方だとのことです。我を忘れることを「夢中」と言いますが、夢中では口をきくことが出来ないのも当然ではありますまいか。