受験生佐藤氏についていろいろお世話下され、ありがとうございました。今年はとても難しいので、なお引き続いて来年も受けられるようお話しはしておきましたが、受験の結果(?漢字が読み取れない)はいかがですか。駄目のものならばそのように話しますが、どうか遠慮のないところをお話しください。受験生ほど心配なるものはありません。受験生ではいつもこりごりしています。不合格の時の気の毒のことを思うと。将来私が音楽学校に関係が深くなるにつれて殊にうるさくなると思いますが、自分としては受験生は引き受けたくはありません。これまでつくづくいやなことがわかりました。今度もきっといやであったろうと思いますが、先方でしきりと希望するので仕方なくお願いした理です。私の留守中にはあるいは他にもいろいろのことが起こるかもしれませんが、万一そんな時はよろしくお願いします。忙しいところを用ばかり押し付けてさぞかしうるさいやつとは思召さるるなれど。左様の候次第どうぞ。
(中の人ツッコミ)
規矩士が日本でお世話した受験生のその後を尋ねています。
規矩士は受験生のレッスンはあまり好まなかったことが書かれています。
『レッスンの友』に掲載された、弟子と伝わる大島正泰桐朋学園大学教授の語る規矩士の思い出をふと思い出しました。
大島正泰氏は母が東京音楽学校の声楽科出身で、その母が「東京音楽学校受験」を決めてしまったようで、規矩士に相談したら「さあね.....。」と言われてしまったとか。
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規矩士の「やる気のない返事」でしたが、大島正泰氏は東京音楽学校に入学。規矩士に師事したようです。
(中の人独り言:受験生って神経使うんですよ。なんとか合格させてあげないと可哀想と教える方もプレッシャーが半端ないし、緊張感も半端ない。中の人も受験生指導をやりましたが、指導する方も必死です。かなりきついレッスンになります。仕方がないです。ところがついてきてくれない生徒もいてね。「何で音大受験するの?」とブチ切れたこともありますよ。
受験生指導は「自分も受験生再び」という気分になります。ドキドキ感がたまに辛くなります。
規矩士の気持ち、わからなくもないです。
しかし受験生指導は教師も勉強になります。主科のアシスタント先生は本当に勉強になりました。)