145. 昭和4年1月27日6【伯林新報2-3】『いたずら小僧は日本人や中国人をからかいます』

◎『日本字で書かれてある商店を見るとなつかしくなります』

市内を歩いている時、どうかすると日本文字で「薬局」とか、あるいは「男女理髪所」とか「日本の御方様には特別に勉強いたします」とか等、いろいろの文句を見るたびに、何となくなつかしくなります。殊に有名なウエアトハイム(欧州第一の三越)には日本語にてご案内の広告板までも出てくるのにはいよいよ驚きます。支那文字は支那料理以外には見たくもありません。もちろん日本字も支那字ですが、イロハ字が混ざっているのですぐわかります。

支那という文言は現代では良くないとされていますが、原文を尊重してそのまま書きます。差別を助長するものではありません。)

(中の人ツッコミ)

規矩士は中国に関して何か変な偏見があるようですが、中の人がこの時代の一般の日本人が持つ中国人への感情がどのようなものであったかがわからないので、何も言いません。いずれこのことに関して詳しいプロの意見が解ったら、そちらの見解をご紹介することとします。

ウエアトハイムとは、クリスマスに規矩士が見に行ったデパートです。「ヴェルトハイム百貨店」のことで、現在では大ショッピングモールとなっているそうです。

www.newsdigest.de

◎『いたずら小僧は日本人や支那人をからかいます』

日本人のことは「ヤップス」と言ってからかいますが、こんな子どもはほとんど稀な位でしょう。日本人は割合に尊ばれますが、支那人は気の毒な程「チンチン」と言ってはやされます。日本人も支那人と見違えてからかう子どもはかなりあります。支那人の勢力は実にあわれなものです。これなどを見ても日本人と言うことがつくづく有難くなります。日本人であることがどれだけ幸福でしょう。支那人は町を歩くのにもいつも小さくなって歩いていますが、実際それ程までに皆からいじめられます。彼らの勢力範囲はただ、支那料理あるのみ。そこにおいて大気焔をあげています。

服装はむしろ支那人の方が立派ですが、却って汚い日本人が尊ばれるのは本当に涙が出ます。

支那料理の話のついでにベルリンの支那料理を申し上げましょう。ベルリンには大きなものは約2軒くらいでしょう。以前はちょうど支那人町に住んでいましたので、時々支那料理を食べましたが、相当に旨いと思いました。いつも支那ソバばかり食べていましたので、他い何があるのかわかりません。(名前がわからないので、いつもソバだけでした。)ここでは支那人は大いに日本人を馬鹿にした態度で見ていますが、いくら馬鹿にしても美味しいおソバを食べさせてくれればそんなことは何でもないことです。中には「あなた日本人か?」などと馬鹿にした口調で聞くのがありますが、とても日本人は目の敵にしているようです。あるものは日本人と言って「ゲラゲラ」と笑う奴もあります。むしろ浅ましくなって可哀想になります。

支那という文言は現代では良くないとされていますが、原文を尊重してそのまま書きます。差別を助長するものではありません。)

(中の人ツッコミ)

ここの部分もノーコメントとします。

一つだけ。私たち日本人が疲れるとなんとなく醤油味が恋しくなります。そういう時は中華料理です。中華料理店はいたる所にあり、格安なのでありがたいです。

(小さい声で)

規矩士先生やっぱり人種差別されていたか...。