『伯林の寒さは決して苦しいものではありません』
内地で想像する程に寒くないことです。
最も4月以来、慣らされていますから、そう感じるのですが、今、急に入伯(中の人注:ベルリンに来ること)されてはあるいはとても寒く感じられるかもしれません。「音楽の都」だけに温度にもいろいろの変化がありますが、今年は割合に暖かい方だとの話です。それでも内地の二倍の寒さはたしかにありましょう。
先日は外で5分間立ち止まってスケートを見物しましたが、急に身体が冷えてびっくりしました。うっかりすると感冒にかかりますから、なかなか油断が出来ません。
今、ベルリンでは大変に感冒が流行しています。市内を歩くのでもグズグズ歩くと寒くなるので、大急ぎで歩きます。寒くてもただ冷たいだけですから、しのぎ良いです。その上に冷たい風がヒューヒュー吹いたら、それこそことでしょう。
いつも歩くのにはハンカチーフを用意することです。そうせぬと鼻から出る息の雫がタラタラ流れて外套を汚しますから、必ず持参します。めんどうな人は手袋で拭いていますが、あまり立派ではありません。手袋の選択はちと具合が悪いでしょう。最近の温度は寒暖計がないのでわかりませんが、鼻の雫が垂れて顔がピリピリと痛くなる程度です。冬外套が中まで冷たくなります。そして例の暖かい襟巻も氷のように冷たくなることです。
以上は伯林省の発表によりますが、こんなでも身体は「とてもやり切れぬ」とは感じられません。これからもっともっと寒くなるそうですが、あるいはそうなると多少注意する必要がありますが、今のところでは恐るるに足らずです。」
(中の人ツッコミ)
北ヨーロッパの冬は寒い。今は地球温暖化であまり寒くはならないようですが、それでも日本より寒いでしょう。冬は昼間も短いです。そんな中、1500年代から既に凍った池や湖、川でスケートをする遊びがあったのですね。
地球温暖化前のベルリンと現代のベルリンでは気候が若干違うと思いますが、やはり寒そうです。
こちらのブログでは寒いより「日照時間の短さ」の辛さを書いています。ベルリンの冬は曇天のことが多く、それだけでも感覚的にとても寒く感じてしまうようです。日光のを浴びないと人間鬱になります。
寒いので風邪も流行っているようです。
(余談)
ベルリンを始め、北ヨーロッパの国々の冬は、寒いだけでなく曇天が多いため暗い。そこでクリスマス休暇には暖かい南のリゾート地を目指します。南のリゾート地に行く飛行機が増便されるとか。
2004年12月26日のスマトラ島沖地震では、クリスマス休暇で現地のリゾートにいたスウェーデン人、ドイツ人観光客が多数犠牲になってしまいました。
『伯林の紳士は短く斬髪します』
どうもベルリンでは髪を長くせぬので、私も一か月に2度くらいづつ刈っています。不経済の話ですが仕方がありません。それに毎日安全カミソリを使用せぬとどうも具合が悪いので、忙しい時分は本当に困ります。
カラー及びワイシャツはいつも綺麗にしておく必要があります。いつも洗濯屋は新報社主自ら持参します。
〇今ある果物は、リンゴ、ミカン、バナナ、トマト、梨が主なものです。野菜類は買わないので全くわかりません。
〇ベルリンでは北極探検の活動(中の人注:映画のこと)をやりましたが、面白く見物しました。
御大典の活動(写真)を見るつもりで入場したのですが、折悪く済んだ所でがっかりしました。
(中の人ツッコミ)
御大典とは?
1928年(昭和3年)11月10日、昭和天皇の即位の礼が京都で行われました。その時の模様が映像に残されていて、いくつか動画サイトでも見ることが出来ます。
ということは、この当時は既に映画館で「ニュース映画」としてこの昭和天皇の即位の礼の映画が上映されていたのでしょう。
日本ではいたる所で上映されていたかと思います。ドイツでは?
規矩士の文面からベルリンの映画館でも上映されていた?のかもしれません。