〇聖句の絵葉書はもう他にはありませんので、またあったら何か送りましょう。ローマ書には私も感服します。聖句には一言一句皆、涙が出ます。
忍耐すればきっと良く.....。少し心配の事でもありますか。私にはその意味が少しどころではない大変に強く不安に感ぜられます故、もしやと表お伺いしますが、何かあったら話してください。こちらにいると一寸のことでも非常に気になるものですから。それによりいつでもお答えいたしましょう。
〇御兄上様(すみこ長兄黒澤敬一氏)もきっと近く御帰りでしょう。先日もロンドンから来られた方が、(この方は熱田丸で一緒の人で、ケンブリッジ大学に行かれるとのこと。とりあえず敬一御兄上様のおところをうかがいましたのは、シンガポールの時でした。その方は御兄上様にお会いでしたかは存じませんが、話の様子ではお会いしたようです)
しきりと敬一御兄上様を誉めておられました。成績も抜群で、人物がしっかりとした御方だから、自分のようなものはお話するのが恥ずかしいと言っておられました。私もそれを聞いて嬉しく思いました。どうか御国の御両親様、皆々様に右の次第をお伝え願います。音楽の方ではとても素晴らしいものだそうです。これも合わせてお知らせします。
〇ショパンエチュードは(クロイツァー)先生は得意ですから、皆感服します。私のさらったものは皆見てもらっています。
〇多くの方々から御通信をいただきました。皆様によろしく。こちらも多忙の故、皆様に失礼していることをどうか伝えてください。
〇昔の共立時代の御ハガキを感謝します。starもこの中におられるので、一層ハガキが立派です。猶、小生誕生の祝いの御ハガキもそくざに(?多分)お書きくだされたのは、まことに恐縮です。」
すみこが共立女学校時代の写真?か何かの絵葉書を送ったようです。
〇御大典も近づき、学校の方も音楽会やらで忙しいでしょう。ベートーヴェンはこちらではよくラジオで放送します。」
(中の人ツッコミ)
御大典の話はこれだと思います。
1928年(昭和3年)12月12日、東京音楽学校では昭和時代の皇后陛下、香淳皇后をお迎えして、「昭和天皇の即位の祝賀演奏会」を挙行。
「大禮奉祝演奏会」
曲目は《大禮奉祝合唱曲》とベートーヴェンの《ミサ・ソレムニス》
指揮は当時の音楽学校の外国人教師のチャーレス・ラウトロプ。
この当時の東京音楽学校の学生は「全体合唱」という授業があり、学生全員が参加する授業だったので、すみこもこの授業には参加していたと思います。なのでこの曲の合唱で参加してようです。おそらくこの授業に関して規矩士への手紙に書いたのだと思います。
すみこは生涯「皇后陛下の前で演奏した」と自慢していました。
(すみこの関係者たちは、中の人も含めて「ピアノを弾いたのかな?」と思っていましたが、どうやらこの演奏会のことだったようです。)
「④第2枚目として由比ガ浜と伺うともうたまらなくなります。鎌倉の海岸の景色、いつも遠くにいてもそこにいるようです。こんな景色はベルリンにいて見たくも見られません。いつも懐かしく嬉しく拝見します。砂地に横になって遊ぶ日も遠からず近づくのを楽しみにしています。男波、女波に早く浸りたいものです。」
規矩士にとって「鎌倉」はいろいろと想いのある場所なんですね。