5.昭和3年5月6日4 ベルリンの街かどから。ゴミが多い。貧弱な建物が多いから地震があったら?

「道路はよく整っていますが、その割にゴミの多いことで、その点は日本も変わりません。ただ、交通の盛んな道路は自動車の多いために道路が光っていることです。これなどは日本では全く見られないものですが、よくもあのように見事に光っているのだなと思いました。それだけに自動車の数が多いということがおわかりでしょう。この土地には土と言うのもの代わり砂がその代理をつとめています。ですから風でもある日は外を歩くのがつらい事です。畑に行っても土ではなく皆こまかい砂ですから、それやこれやで市内も割合に綺麗ではないかと思います。

建築は地震のないために甚だ貧弱な骨組みで建てられますが、あれでもと思われる位に危うく作られているので、それから一度地震でもあろうものならば、ひとたまりもなく全滅だろうと思われました。建物は皆、石や煉瓦を積んだようなものばかりです。ひと月かふた月位で完成すると言いました。何と簡単な建物でしょう。それでも五階層ですから、猶更(?)の他はありません。近頃はやっと天気が続くようになりました。風もなく気が晴々といたします。またこの続きをだんだんお話いたしましょう。

モムゼンストラーセ23にて」

現在では「日本の街はゴミが少なくて清潔」と言われていますが、これは1964年の東京オリンピックの時の「美化運動」で変わったのだそうです。

それまでは下水普及率が低く、中小河川が下水代わりのような感じだったので、街はかなり臭かったようです。

オリ・パラ今昔ものがたり 東京は「臭いまち」だった】

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ヨーロッパは地震がないから、けっこう危ない建物多いですよね。

北ドイツ、リューネブルクの傾いた建物。よーく見てください。傾いているというか歪んでいます。大丈夫?

2000年に中の人がドイツに行った時に写してきました。この街は教会も傾いていました。リューネブルクは中世期、製塩業が盛んで、塩気のある地下水をガンガン汲んで、郊外の森の木々をガンガン切って薪にして、製塩をしていました。ということで、街の中は地下水の汲みすぎで地盤沈下。郊外は草原となっています。

地震がないからいいけど、日本人の私はちょっと怖い。

ベルリンの街中で少々メンタルがやられている規矩士先生、こんなツアーに参加したら、少しは気が晴れたでしょうか?

 

4travel.jp

【Berlin - Symphonie einer Großstadt (1927) | von Walther Ruttmann】

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